デザインにおける要不要の判断軸

デザインを作るときに「これはいる」とか「これはいらない」とか、付け加えたり外したりすることがあります。

媒体や目的により異なりますが、分かりやすさや伝わりやすさを考えた時に着目したいのは「減す」こと。
スッキリとさせることに注力したいです。

引き算のデザインなんて言われたりもしますが、余計な贅肉を削ぎ落とすことで肝心な部分が目につきやすくなります(瑣末な部分に目を奪われにくくなります)。

実例で思い当たったことでは、以下のようなケースが浮かびましたのでご紹介します。

重複

例えば同一人物の顔写真と似顔絵が、ひとつのページに使われていたとします。
写真やイラストでお顔を見せて、少しでも相手に安心感を与えるために掲載しました。

となると、写真か似顔絵のどちらかひとつがあれば、人物像は伝えられそうな気がしてきます。
どちらも掲載する弊害として、2つの情報で目が散らばる事や、紙面がキチキチになって読みにくくなる可能性があります。

せっかく両方用意したのに片方を取り除いてしまうのは、少し勿体無い気がします。
ですが片方はきっぱりと省いてスッキリさせてあげたほうが、伝わりやすいデザインになるでしょう。

とはいえ、なにかしらの理由があるなら両方を使っても良いと思います。
例えば「イラストは娘が描いてくれました」なんてコメントがあったら、なんだかほっこりする紙面になりそうではないでしょうか?

上例では、写真は本人が実在するというリアリティを表し、イラストでお人柄を示すような二重の効果が見込めそうです。
(ということで、絶対的なルールではありません)

飾り付け

飾りのデザインがあると、紙面が華やかになります。
例えばマルシェのチラシでは、テントや風船、連続旗(三角フラッグがいくつもぶら下がってるやつ)で紙面を装飾したとします。
楽しそうなデザインになりそうで、良いですよね。

しかしながら、この飾りのデザインが災いすることも考えられます。

レイアウトへの影響

ひとつは文章に飾りがかかってしまう場合。
飾りを置くために、文章の方を動かしたとします。

見た目の雰囲気の良さを優先して文章を動かしてしまうと、レイアウトが崩れて可読性が犠牲になります。
デザインを“アート”として捉えてしまうと、広報物としての本来の意義が薄れる結果を招きかねません。

飾りの派手さ

もうひとつは、飾りの絵力の強さ。

装飾のデザインが派手すぎたり、強烈なカラーを使っていたとします。

ポスターのように、一瞬で目を惹きつけたい時には効果があるかもしれません。
ここで気をつけたいのは、何を見せるか、どこに目を向けさせたいかを意識しておくことです。

飾りつけの派手さで、一瞬目を向けたものの、タイトルや見出しなどの重要事項が目立たずに埋もれていたならば、そのままスルーされてしまうかもしれません。
見る人にとって、自分が必要なものであるかどうかという情報までを、分かりやすく目に付くようにしてあげたいです。

重要事項が見えづらく分かりにくい場合、飾りの部分に手を施す必要があるかもしれません。

他にも内容の構成や文章量・文体のテコ入れなども検討することがあります。

以上

必要なものや重要なものに優先順位をつけて取捨選択することが、ひとつの判断軸であると言えそうです。

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