見学+感想 アートの展覧会 渺渺展(びょうびょうてん)2024

見学+感想 アートの展覧会 渺渺展(びょうびょうてん)2024

先日、わたしがお世話になっていたデッサン教室の先生の展示を見に行ってきました。

場所は東京都千駄ヶ谷の「佐藤美術館」。
展覧会の名前は「渺渺展(びょうびょうてん)」。

いろんな作家さんが出展されていました。
下調べなしでぷらっとお邪魔したのですが、わたしが到着したあたりで作家さん方による自分の作品についての解説がはじまりました(ラッキー!)。

作家さんの解説のあとに感想を述べる先生などもいらっしゃって「みなさん色々な考えを持たれて作品と向き合っているんだなぁ」ということが知れました。

また納期との戦いがある事も、垣間見えました。
出展にはけっこうお金がかかり、生活との兼ね合いがあることも・・・。
まさに“戦い”だな、てカンジがします。

アートを続けるのは覚悟がいるなぁと、戦い続ける方々の姿勢は格好よくて尊敬します。

感想

まずそれぞれのアーティストさんの発想法について。
たとえば、原風景へ想いを運んでみたり。
たとえば、生活の風景を描いてみたり。
たとえば、自分の“好き”と向き合ってみたり。

経験や体験を描くことがひとつ、絵作りの構成に結びついているんだぁと感じました。

また作家さん自身がどのように絵と向き合ってきたかを解説するところは非常に論理的であり、描く際には論理+感性に任せているように感じました。
(感性なら。たとえば作家さんが風を感じさせたいと思えば、表現としてはポワポワっとした滲みの濃淡があったり、草木のなびきを曲線的に描いたり)

思うに右脳と左脳、論理と感性を行ったり来たりするお仕事なのかな?と想像しました。
(論理と感性の比率の違いも個性なのかもですね)

それと作家さんの解説のあとに品評をされる先生がいらっしゃいました。
わたしがただただ絵をぼけ〜っと見ているだけでは分からない、観察眼・着眼点から気づきを与えていただけて面白かったです。

また品評(言葉を介すること)によって、個性やテーマが浮き彫りになっていく様がよかったなぁと思います。
そうすることで作家性・独自性が明らかになるのでしょうが、そこからさらに脱却し新たな表現を模索するために、もがいていくんだろうなというような気がしました。
そして模索のためには、一度得た評価や独自性を手放すことも必要になるんだろうなとも思いました。

表現との戦いは、生涯続くのでしょうかね。
ただそれが苦しくもあり楽しくもあり。
と、すべてわたしの妄想ですが。

人の作品に触れると、色々な気づきが得られそうです。
ただし自分の心と向き合わないと、人の作品に引っ張られてしまいそうだなとも思いました。
よそ様のエッセンスを取り込みつつもオリジナリティを保っていくには、自らの原風景や生活体験または感情など、心の内側へ潜っていく作業が必須なのかもしれません。

デザイナーである自分の仕事への落とし込み

今回ラッキー!と思えた要因で大きいものに、品評される先生の言葉がありました。
「宿題を持ち帰る」という言葉です。

これは大事なことだなと思いました。
何か作った時に、自分の中で課題を感じるという事。

アートでは自分の作品に対して「どうしたらもっと良い表現ができるか」「どこをどのように変えたら面白くなるか」を検証していく思考の工程。
ビジネスとしては、日々改善のPDCAサイクルの概念にあたる気がします。
デザインでいうと、PDCAはデザイン思考的でもあります。
(または概念を崩す場合は、マニュアルを脱却するためのゼロベース的な思考)

わたしの仕事であるグラフィック制作においては、慣れや惰性で作業せずに少しずつ遊んでみること(表現の模索または面白そうなデザインへの挑戦やテスト)が大事かも?
と、今回の知見を自分の仕事へと落とし込みました。

わたしの帰結

デザインにおいて「遊びで表現の幅を広げることを繰り返す」ということが「宿題」や「PDCA」の視点と結びつきました。

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